アクリルとポリカーボネートの違いを比較

アクリルとポリカーボネートの違いを比較

プラスチック素材の中で、1、2を争う耐久性と透明性を誇るアクリルとポリカーボネートですが、アクリルとポリカーボネートの違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは、アクリルとポリカーボネートの違いについて紹介します。

 

まずは透明性について比較してみましょう。
アクリルが93.1%の透明度なのに対して、ポリカーボネートは89%となっており、透明性はアクリルが高くなっています。
その透明性の高さと質から、「プラスチックの女王」と言われる程です。

 

次に耐衝撃性ですが、ポリカーボネートの耐衝撃性が、ガラスの約200倍、アクリルの約40倍、塩ビの約20倍で、圧倒的にポリカーボネートが強いと言えます。
この耐衝撃性を活かし、戦闘機等の風防や自動車等のライトカバー、オートバイのヘルメット等に使用される他、屋外利用が多いカメラや双眼鏡等にも使用されています。

 

続いて燃焼性ですが、アクリルは可燃性があり、ポリカーボネートは難燃性なので、燃焼性が低いのはポリカーボネートということになります。
火元を離せば自然に火が消えていく自己消化性を備えていますし、万が一の火災時でも有毒ガスが発生しない安全な素材です。

 

耐熱性、耐熱温度で比較してみると、アクリルは100℃、ポリカーボネートは130℃で、実用する分には大差はありませんが、アクリルに可燃性があることを考えると、ポリカーボネートの方が耐熱性は高いと言えるでしょう。

 

耐侯性は、両者とも風雨に対して高い耐候性を備えています。
しかし、比較をすると、アクリルは日光の影響をあまり受けませんが、ポリカーボネートは長期間日光にさらされることによって、退色や脆化することがあります。
一例として挙げられるのは、ポリカーボネートが使用されている車のヘッドライトの黄ばみです。

 

傷の付きにくさについては、耐衝撃性はポリカーボネートの方が高いですが、表面強度はアクリルの方が強く、その表面強度はアルミニウムとほぼ同じで、傷が付きにくくなっています。

 

以上の様に、アクリルとポリカーボネートの違いを比較する形で見てみると、アクリルは、ガラスより高い透明性と耐候性、自由度の高い加工性が特長で、ポリカーボネートは、他のプラスチック素材にない強度と耐久性、燃焼性の低さと断熱性が特長と言えます。
それぞれ特長は異なりますが、いずれにしても、他のプラスチック素材では見られないような高い耐久性と透明性、加工性があることが分かります。
その特長を活かして、軍事用から日用品まで、ありとあらゆる場面で使用されるのもうなずけます。